『穂高神社 里宮』

長野県安曇野市穂高神社里宮」
信州安曇野を代表すると言っても過言ではないだろうか

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穂高駅前から県道309号線を東に走ると明神鳥居の建つ穂高神社北参道入り口へ
車で鳥居をくぐり駐車場に車を止めて
鳥居前に戻り駅前通りを写真左方向に徒歩で表参道を目指します

f:id:owari-nagoya55:20190919095016j:plain湿度の高い都会の暑さとは違い、日陰に入れば大汗をかくことはありません

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鳥居からしばらく歩くと右手に社号標と脇参道、ここも横目に通り過ぎ更に先を進みます
脇参道に掲げられた色褪せた由緒書き

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道路際に赤い鳥居と社が見えてくるのが厳島
小さな赤い橋を渡り参拝して行きます

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赤い玉垣に囲まれた境内、苔生した台座の上に赤い社が祀られている
左手は用水が流れ、上流は穂高神社の神橋に至ります

f:id:owari-nagoya55:20190919095331j:plain厳島神社を過ぎ一本目を右に入ると表参道に到着
参道は手前を更に先に行った国道147号線まで続きますが、ここから境内を目指す事にします

 

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表参道社号標と由緒書き

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穂高神社の永い歴史の中で祭神も移り変わってきました

穂高神社祭神
中殿 / 穂高見命(ほたかのみこと)
左殿 / 綿津見命(わたつみのみこと)
右殿 / 瓊瓊杵命(ににぎのみこと)
別宮 / 天照大御命(あまてらすおおみみこと)
若宮 / 安曇連比羅夫命(あづみのむらじひらふのみこと)
相殿 / 信濃中将(ものくさたろう)

f:id:owari-nagoya55:20190919095547j:plain石造りの明神鳥居の一ノ鳥居
その先の神橋の先にはニノ鳥居と神楽殿が見えてきます

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仰ぎ見る一ノ鳥居扁額

f:id:owari-nagoya55:20190919100345j:plain神橋
安曇野市文化財でこの水が厳島神社の横を流れていきます

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神橋を渡った左が社務所で右が授与所
境内は全面玉砂利が敷き詰められ、踏みしめる玉砂利の音は杜に響く、ここが厳粛な空間である事を実感します
……ん?やけに参道を走る車が多いのだけれど

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正面にニノ鳥居と神楽殿も間近になってきました

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境内の諏訪神社略記
「その昔、穂高見命が穂高岳に降臨したことから始まります
重畳なる中部山岳を開き、梓川流域の安曇筑摩地方を開拓した恵みをもたらした
この地の豪族「安曇氏」が祖神を祀った神社で上下の崇敬を集めた古社」

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 安曇野市文化財の手水舎、手水石

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 神馬舎
装飾の施された唐鞍を付けられた神馬は木曽馬をモデルとして作られているという

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二ノ鳥居前の胸を突出し筋骨隆々とした狛犬

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ニノ鳥居は1869年(明治2)に建てられた境内最古の建造物でしたが、今年建替えられています
忠実に再現された欅の鳥居は、柱の両脇を支えるため「稚児柱」を持つ「両部鳥居」と呼ばれるもの
扁額も建て替えに合わせ新たに掛けられたもの

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二ノ鳥居をくぐった正面に一際目に付く神楽殿、2016年(平成28)に建て替えられたもの

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楽殿の右に若宮社と複数の境内社が一列に祀られています
左奥に二つ目の神馬舎、さらに進むと先程車を止めた北駐車場に続いています

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若宮社を中心とする末社群は左から
八坂社/素盞嗚尊
事比羅社/大物主神
子安社/木花開耶比売命
保食社/宇気母智命、
四神社/少名彦名命/ 八意思兼命/ 誉田別尊/ 蛭子神/猿田比古命

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 中央の大きな社が若宮社
祭神は阿曇比羅夫命、相殿神信濃中将
ものぐさ太郎は耳にしたことがあると思いますが、ここ穂高神社を造営したのが信濃中将とされます

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狛犬
肉付きのいい丸みのある体型は妙に愛くるしい、しかし顔等は風化による痛みから表情はよくわからなくなっています
台座に刻まれた元号は明和6と読めるような、西暦だと1769年なかなかのベテラン

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若宮社の右側の末社、左から
疫神社/素盞嗚尊
秋葉社/軻遇突智命
八幡社/誉田別尊
鹿島社/武甕槌命

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 若宮社から見た拝殿

f:id:owari-nagoya55:20190919101205j:plain 穂高神社拝殿
多くの氏子や崇拝者の手厚い支援もあり、2009年に127年振りとなる建て替えが行われたもの
こうして見ていくと穂高神社の伽藍は重要文化財に指定されたものは意外に少ない

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参拝
穂高神社は祭祀の中心となるここ里宮と上高地の明神池湖畔の奥宮、奥穂山頂の嶺宮の三社になります

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本殿は、形が等しい右殿、中殿、左殿と並ぶ三殿方式と呼ばれるもの、この三殿と小さい神明社が祀られています、中殿の千木の構造は左右の千木を結ぶような梁がある特徴のあるもの
拝殿から本殿は見えてはいますが、千木を見る事は出来ませんでした

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本殿は20年に一度造り替える式年大遷宮祭と20年の間に2度行う小遷宮祭があるそうです
古文書の「三宮穂高社御造営定日記」には1483年(文明15)の記録が残るそうで、直近の大遷宮祭は2009年に行われ、今も古式のままに引き継がれています

穂高神社遷宮は、お伊勢さんの遷宮とは少し違うようです
三棟の本殿全て建て替えるものではなく、遷宮毎に一棟を建て替え、新しい本殿に主祭神穂高見命が祀られるそうです、なので遷宮の度に穂高見命の場所が変わります
本殿は、形が等しい右殿、中殿、左殿と並ぶ三殿方式と呼ばれるもの、この三殿と一直線に小さい神明社が祀られています

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境内全景
盛んにあちこちで「車を買ったら穂高神社へ」と書かれた看板を見かけます
そのせいか、新車の祈祷に訪れる方がとても多いのに驚きます
拝殿前には届いたばかりの車が並び漸く車の無い全景を撮る事ができました

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穗髙神社境内の神楽殿の横のひときわ目を引く杉の大木「孝養杉」樹齢は500年は越えると云われます
この木はパワースポットの様で、家族の病気平癒祈願のためこの木にお参りをしたところ、家族の病気が良くなったと云われ、この名がついたとされます

若宮西の欅も樹齢は500年を超え、安曇野市指定天然記念物に指定されています

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拝殿から左に進んだ先に弓道場のある境内に繋がります

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結びの石神
さて里宮参拝を済みました、標高3,190㍍の奥穂高岳山頂の嶺宮へ参拝しましょう
とはいっても山支度もしてこなかったので登山は出来ません
弓道場の右手にある嶺宮遥拝所に向かいます

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右手の奥の嶺宮遥拝所全景
ここで参拝すれば奥穂山頂の嶺宮まで登る事無く参拝できます、今回はここから参拝します

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山頂を思わせる岩の上に祀られた石の社に背景の池は奥宮のある明神池を連想させます
これまでは登る事しか念頭になかったけれど、いつかは二人で参拝登山に行きたいものです

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弓道場の左の参集殿

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 参集殿後方をひと回り、そこには芭蕉の句碑等複数の碑が見られます

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参集殿南側の参道入り口

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 若宮社後方の神馬舎、こちらは赤毛の神馬です

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北駐車場から境内に入る入口にあるオールステンレス製の「健康長寿道祖神
平成25年長野県が長寿日本一に認定された記念で建てられたもの
笑顔で微笑む翁と媼の寄り添う像の握り合う手の部分を撫でると健康長寿、夫婦円満・縁結びの御利益を授かると云われます
像はにこやかな表情をしています、こうありたいものですね

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「健康長寿道祖神」の後方に北参道の手水舎、手水石
安曇野の豊かな地下水がここに湧き出ています

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北駐車場に掲げられている穂高神社配置図
これでほぼひと回りしてきたことになります
残るは駐車場脇の「塩の道道祖神」を見ていきます

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安曇野と言えば道祖神が思い浮かびます
その数は400体を超えると言われ、市町村単体で日本一だそうです
 道祖神は村の外れで悪霊や悪い病が村に入るのを防ぎ、行き交う旅人の安全を守り、五穀豊穣、家内安全、子孫繁栄などの守り神として祀られます
一帯では江戸時代中期(1700年代)のものが残るそうです

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 ここ「塩の道道祖神」には地域で祀られていたり、寄進されたものがここに纏められています

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相合傘の夫婦像(北安曇郡美麻村にあり縁結びの神として信仰された)や餅つきをする夫婦像(餅つき道祖神夫婦円満の神)など、素朴に描かれた表情の道祖神を見る事ができます
それぞれに解説板もあり素性を知る事が出来ます

穂高神社は至る所解説板の整備が行き届き、訪れた者にとってはありがたいものです

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穂高神社里宮
住所 /   長野県安曇野市穂高6079
アクセス /   車:長野道​「安曇野」ICから15分程​ 駐車場は無料
       電車:JR松本駅から大糸線「穂高」駅下車、徒歩5分程