「大谷資料館」栃木県宇都宮市大谷町​​​​​

栃木県宇都宮市大谷町​​​​​「大谷資料館」
​​​​​ 『追分地蔵尊』からJR日光線に乗り換え、最終目的地の宇都宮二荒山神社もあと一息。​​​​
鹿沼駅で一旦降車し「大谷資料館」に向かう。

JR鹿沼駅から「大谷資料館」までのアクセスはバスになります。
 しかし鹿沼から出るバスの運航本数は少なく、ここは駅からタクシーで「大谷資料館」に向かいます。

駅から「大谷資料館」まで概ね15~20分程で資料館に到着。
 周囲は大谷石が露出し、いたる所露天掘りの跡だらけ、まるでSF映画のワンシーンに出てくるような光景が広がっています。

この人口的に作られた渓谷の奥に大谷資料館があります。
 JR日光線鹿沼駅👉​タクシー大谷資料館

​資料館の手前の「愛の泉」
​ 謂れや効果のほどは分からないが、縁結びの神に願をかけると固く結ばれるのだそうだ。
冬季この泉が結氷し、その氷が溶ける際に♡型になるらしく、その時にここを訪れると更に運気が高まると云う。
 訪れたのは5月12日、真夏並みの強烈な陽射しが照り付け、氷などある訳もなく。

「大谷資料館」と周囲の景観。
 ​入館料は大人が800円、子供400円(小・中学生)
 
コロナで委縮していたのは過去の事、資料館には修学旅行で訪れた子供達を乗せた多くのバスが駐車し資料館は活気のある声に満ちていた。

 資料館周辺は緑の山々に剥き出しの大谷石が露出し一帯が一大採掘地なのがよく分かる。

資料館には手掘り時代の道具や大谷石の採掘の歴史や採掘抗の範囲などの資料と共に映画やTVのロケ、CM撮影など数々の資料が掲示されている。
 資料内の採掘坑入口から地下に下りていく。

採掘抗内は採掘されてできた大きな地下空間が幾つも連なり、坑内の温度は外の熱気とはかけ離れ、当日は7℃ほど、メガネも一瞬で曇ります。
 因みにこれを書いているその日の坑内温度は12℃、外のつもりで中に入ると必ず一枚羽織たくなるはず。
この陽気だと一度入ると外には出たくなくなると思う。
 坑内は色とりどりにライトアップされ、幻想的な岩の殿堂の趣がある。


資料館の地下採掘場跡は、1919年(大正8年)から1986年(昭和61年)の約70年間、 大谷石を掘り出して出来た巨大な地下空間です。

当初は人による手掘りで切り出し、搬出されていましたが、昭和に入り徐々に機械に置き換わっていき、坑内の壁面には手掘り時代の鑿跡と機械で切り出した跡が残り、其々の時代が見て取れます。
 写真は初期の機械式裁断機と裁断規格のサンプルが並べられている。

大谷石の分布は資料館から1.8km西の多気不動尊あたりから始まり、東は8km先の宇都宮市街地を流れる田川周辺にまで達し、南北に38km、深さは300㍍と広範囲に分布するようです。


 当初は人手による下に掘り下げる「平場掘り」と、横から掘り進む「垣根掘り」から始まり、やがてそれらは下に掘り進み、機械化され掘削のスピードもあがり、柱を残しつつどんどん横に下にと掘り進み、採掘区域は東西に約3Km、南北に約6kmにもおよぶと云う。

坑内最深部付近から入口方向の眺め、先が見えない。
 この光景はまるでお城かカッパドキア?

 採掘によりできた地下空間は戦時中は軍の施設としても利用され、現在は音楽イベントや撮影、結婚式などにも使われているという。
坑内の安定した気温は米の備蓄やワインなど寝かせるのにも最適。
 きな臭いこのご時世、いざとにればシェルターとしても使えそうだ。
 
地下空間は定期的にこうしたオブジェが展示され、ライティングにより幻想的な空間を更に盛り上げている。

地下空間の教会では結婚式も行われ、会場までは車で入れるのでハンデがあっても支障はないという。
 それにしても12℃は寒いような気もするが? 熱い二人に気温は関係ないか。

坑内の解説1。

坑内の解説2。
 坑内は立ち入り禁止区域もあり迷宮状態、地下水が溜まった区画もあり地底湖の様相。
天井のところどころに明り取りと通気のためだろうか小さな縦穴があり外光を見る事も出来る。

こうしてライティングされた大谷石は本来の色目とは全く別の代物の様に見える。

訪れた時は某華道家のモニュメントが展示されていた。
 なるほどあの方が作ったのねと感じさせるものだ。

かつてはドンペリのレセプション会場として使われこともあるようだ。
 ボトルも用意され、これはウェルカムドリンク?…飲めません。

これも某華道家の手によるものだろう。
 地底湖の水面に写る姿は美しい、見ようによっては雲丹に見えなくもない。
坑内は何度も繰り返しますがとても涼しく別天地、ショットバーとは言わないまでも、せめて坑内に腰を下ろしてノンビリ鑑賞できる大谷石のベンチが欲しい。
 この別世界を見せるだけではなく、この環境をじっくり体感できる空間が欲しいかな。

ライティングで幾何学的な掘削痕が強調されとても美しく、色合いは氷の壁をイメージし視覚的にも居心地のいい環境です。
 岩盤に触れると冷や冷やでそのままへばりついていたいくらだ。

こちらは機械による掘削痕。
 夏場だけでも坑内体験宿泊なんて企画があっても面白いかもしれない。
他にもいろいろとイベントが作れそうな気がしてくる。

 ここはイベント時の資材搬入口として使われるのだろう、外光の先は炎天下の現実が待っている。
これが見えてくれば別世界とは間もなくお別れ、次の目的地に向かう事にする。

大谷資料館 
所在地 / ​栃木県宇都宮市大谷町909
大谷資料館URL   /  ​こちら
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