燈明山高蔵寺はJR高蔵寺駅から徒歩で東へ10分程の高倉山南陵に鎮座します。
ここから南にJR高蔵寺駅から東に続く高座線とJR中央本線、高蔵寺町の町並みが続き、その先を玉野川(庄内川)が流れています。
対岸には東谷山が目の前に聳えています。
先に掲載した五社大明神社の社頭の東に位置し、社頭から燈明山高蔵寺まで徒歩でも1~2分もあれば門前に着けます。
この燈明山高蔵寺、尾張名所図会にも記され、高蔵寺町の名の由来となるほどの歴史を誇る天台宗のお寺です。
写真は山門から南方向の眺めで、高座線脇に寺号標が立っており、その先に山門を構えています。
燈明山高蔵寺の伽藍を西から眺める。
山門は南を向いて建てられ、両側は土塀が連なっています。
伽藍は庫裏、本堂、薬師堂、高蔵毘沙門天の御堂が主な伽藍。
東側の墓苑脇に山王大権現の社が祀られており、尾張名所図会でも山王社として記されています。
入母屋瓦葺の庫裏。
正面から山門の眺め。
石灯籠の先の山門は切妻瓦葺の薬医門。
車の場合、山門向かいに参拝者駐車場があるのでそちらを利用すると地元の迷惑にはならないでしょう。
…少し間が悪かったか。
戦国時代(永禄年間の兵火で寺は焼失し、十二坊のうち一坊のみ残る)に兵火により焼失後再興した。
寺内に子安井戸があり、毎年6月1日井戸のぞきの祭事があった。
山門斜景。
山門に掲げられている燈明山高蔵寺の門札。
山号、寺号の上に官領斯波武家祈願所、薬師如来霊場、開創壱千弐百年と記されています。
山門額「燈明山」
山門をくぐると正面に春日井市の保存樹に指定されているソメイヨシノの老木に目が行く。
幹はいかにも樹齢を重ねた老木の風貌ですが、枝葉には勢いがあります。
桜の右には三体の石像があり、中央の台座に「三界萬霊」の文字が刻まれています。
「三界」とは仏教でいう過去・現在・未来を示し、「萬霊」とはすべての生あるものの霊を永遠に祀るために建てられる。
山門右に目を転じると手水鉢がある。
清水は張られていませんが、そこには龍の姿もあります。
角や髭が見事な龍は黄金色に輝く瞳を持つもので、近くで見ると威厳すら感じる。
境内の解説。
【燈明山高蔵寺 ご本尊 薬師如来さま】
衆生の苦しみをすべて請けて預り楽を与えたまう
この折毎夜竜神が燈明を捧げて途次を照らしてこの霊地にお祠りしたので
本堂。
軒先に向け滑らかに流れる屋根の曲線綺麗な寄棟瓦葺。
右手に連なるのは高蔵毘沙門天の御堂。
大棟に壁の様に積まれる12枚の熨斗瓦には燈明山の山号瓦が入る。
本堂入口の山号額。
境内右の薬師堂。
銅葺屋根の方形で金色に輝く露盤が付けられている。
毎月八日に薬師護摩供養が行われるとの事、それがこの堂で行われるのだろうか。
外陣の格子天井に草花が描かれています。
本堂右にある高蔵毘沙門天の御堂。
内部は二つの間に分かれ、左が高蔵毘沙門天、右が太子堂。
平成4年(1992)に再建されたようです。
堂内に方形屋根の厨子が安置されていました。
右の間には大師像。
【子安の井戸】
所在地 / 春日井市高蔵寺町北5-1039
参拝日 / 2023/09/10
五社大明神社から燈明山高蔵寺 / 徒歩で1~2分
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