「押付八劍社」輪中の郷に鎮座する神社を訪ねて#9

前回掲載した間々八劔神社から東に走り、木曽川右岸堤に出て、下流の濃尾大橋に向け木曽川を下っていきます。

木曽川右岸堤から関西本線近鉄名古屋線、国道一号線尾張大橋方向の眺め。

ここまで来ると、帰りの渋滞も気になりだします。
今回、輪中の神社の一部を参拝してきましたが、今回の押付八劍社をもって家路に向かう事にしました。
押付の八劍社は堤防道路の右に大きな樹が聳える場所が鎮座地です。
木曽川堤から右に広がる押付集落は堤の更に下に軒を構えています。

押付八劍社北側からの眺め。
堤防法面にしっかりと根を張った大きな樹々が八劍社の杜。

上は八劍社南の堤防道路から北側を向いて捉えた神社の全景。
南側からだと神社境内に続く小路が続いていますが、普通車で侵入は無理。
大型無車両も通る堤防道路は対面通行で路上駐車は通行の妨げになるので、長良運動公園に駐車し少し歩く事をお勧めします。

堤防道路から法面を下り押付八劍社の社頭へ。

社頭は石の神明鳥居、左に手水鉢が置かれ、参道中央に幹も見事な御神木が聳えています。

手水鉢と龍口。

当日は水が張られていなかったが、白みを帯びた龍口は角も髭も立派なもの。

白い狛犬が守護する拝殿全景。
以前掲載した中川八劍神社。
そちらの由緒に中川八劍神社から、輪中の各集落に分祀され氏子となっていった旨の紹介がされていました。
こちらの押付八劍社もまさにそれで、文化10年(1813)中川村の八劍神社より分祀勧請されたのが起こりのようです。

狛犬は平成3年(1991)に寄進されたもので、巻き髪の立派な骨太の体格をしています。

拝殿全景。
切妻瓦葺の平入でこれまで見てきた拝殿の流れを受けている。

拝殿額はほゞ正方形で「八劍社」とある。
三重県神社庁に押付八劍社について以下のように紹介されていました。
「当社の創祀並に由緒については詳にし難いが、社伝によれば、文化10年(1813)中川村鎮座の八劍社より分祀勧請されたと伝えられている。
近郊の産土神として篤く崇敬されている。
大正4年(1915)11月、大字押付鎮座の神明社及び当社境内社岐波社、金刀比羅社を合祀した。」
とある。
個人的に阿岐波社なら馴染みがありますが、原文にある岐波社はあまり知らない。

八劍社覆殿全景。
法面中ほどに建てられていながら、基礎の高さはこれまで見てきたものと同等の高さのもの。
輪中という特別な環境下にあって、ここまでのものが求められる。

覆殿正面全景。
本殿がシルエットになり浮かび上がっているが、造りまでは良く分からなかった。
祭神は日本武尊天照大神火産霊神崇徳天皇

拝殿から社頭方向の眺め、中央の御神木は恰も蕃塀の様に下界の様子を遮っている。
これで今回予定していた輪中の神社の一部を参拝して廻ってきました。
途中ナビの不調もあり幾つか飛ばしてしまいましたが、ここから南にもまだまだ鎮座しています。
飛ばしてしまった神社を含め、次に訪れる時は長島輪中の南端まで巡ってみよう。

訪れたのが真夏の時期で歩いていても難儀しました。
少し秋風が吹く頃に訪れれば景色も変わり、彼岸花も見れるかもしれない。
それを楽しみに濃尾大橋を渡り家路に向かいます。

押付八劍社
創建 / 1813(文化10)年 (中川八劍社より分祀)
祭神 / 日本武尊天照大神火産霊神崇徳天皇
所在地 / 三重県桑名市長島町押付59-2
間々八劍神社から押付八劍社 / 車で長良運動公園方向へ​5分程​​
参拝日 / 2023/07/21
関連記事

「間々八剱神社」輪中の郷に鎮座する神社を訪ねて#8
「高座神明社」輪中の郷に鎮座する神社を訪ねて#7
「平方神明社」輪中の郷に鎮座する神社を訪ねて#6
「豊受大神社」輪中の郷に鎮座する神社を訪ねて#5
「小島八剣神社​」輪中の郷に鎮座する神社を訪ねて#4
「中川 八剱神社」​輪中の郷に鎮座する神社を訪ねて#3
『楠神社』​輪中の郷に鎮座する神社を訪ねて#2
「八幡神社」​愛西市立田町