『岩割瀬神社』​瀬戸市鹿乗

岩割瀬(いわりぜ)神社。
鹿乗 八幡社から県道15号線(愛岐道路)を多治見方向に進み、水野川に架かる大藪橋を渡り1~2分程先の右側に鎮座します。

県道沿いの鬱蒼とした山の斜面に鎮座し、運転しながら存在を確認するのは難しいかもしれない。
少し先を左に進めば、車一台通るのがやっとの玉野橋を渡ると玉野町に続きます。
玉野橋下流付近には古くは岩瀬の渡しがあったといい、玉野橋も岩割瀬橋と呼ばれていたようです。

鎮座地付近の県道15号線(愛岐道路)。
この道の右に神社入口がありますが、さてどこでしょう?
右側のフェンスをよく見ると小さな看板があります、そこが岩割瀬神社の入口。
扉は開けたら閉める、開けたままだと道路を走る車に接触します。看板はそれを促すものです。
また、周囲には駐車場はありません。

道路から見る神社全景。
神社は落葉樹と竹が生い茂る鬱蒼とした森に覆われ、写真は少し明るくしてありますが昼でも薄暗く、北斜面のため地面は湿気を帯びています。
この場所は神霊スポットの噂も聞くが自分には良くわからない。
それよりも湿気のある北斜面をローカットの普段靴で踏み込む事の方が個人的に怖い。
こんな場所にはやたらと足が多いか、足のないものに出くわす事が多い。
意を決して扉を開け、足元要確認で境内に踏み入れる。

ジケ~っした枯れ葉が石段に積もり、投げ捨てられたゴミが多く荒れた印象を受ける。
道路から見えていた建物は覆屋かと思いきや、拝殿の様です。
そこそこ斜度のある石段を踏み外さないように上に向かう。

拝殿全景。
急な斜面に石垣が築かれ建屋が建てられ、その先は更に上へ石段が伸びていますが、上の様子はここからでは見通せません。

拝殿を回り込み本殿方向を見上げる、……言葉を失う。
明治中期の地図には集落が見られるこの辺り、現在も西側に集落があります。
社地には苔むした庚申塔らしき石標も見られ、かつては人の出入りもあったのだろう。
住民によって祀られたものと思われますが、現在は廃社なんだろうか。

懸魚だけがかつての姿を残しているが覆屋らしき建物は原形を留めていない。
いつ倒壊するか分からない状況でこれ以上近付けず、この場で頭を垂れ滑りやすい石段を戻る事にした。

この岩割瀬神社について調べて見たが、祭神は建速須佐之男命を祀り、創建時期や起こりについては分からなかった。
ひとつ確実なのは明治中期の地図では既に存在が記されていたことくらいか。

先人の思いから建てられた岩割瀬神社、このまま土にかえっていくのだろうか。


岩割瀬神社
創建 / 不明
祭神 / 建速須佐之男命
境内社 / ーーー
参拝日 / 2023/09/10
所在地 / ​瀬戸市鹿乗町1353
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