屋根神 名古屋市西区栄生(さこう)

中村区栄生町の六生社から東の東海道本線のガード下をくぐるとそこは西区、今回の目的地は栄生駅方向の北側にある小さな覆屋。

所在地は名古屋市西区栄生2-6-7にあたります。
鎮座地は栄生駅から線路沿いに続く細い路地を北へ向かった先に鎮座します。

見あげれば名鉄犬山線「栄生」駅のホーム、ホームに流れるアナウンスが良く聞こえてくる。
ここをまっすぐに突き進むと正面に見えてきます。

今回の目的地は道の突き当り、突き当りのように見えていますが、覆屋の前から右に人道が続き、駅前から北に伸びる通りに続いています。

覆屋全景。
左は名鉄病院、後方と右手は住居に挟まれており、僅かな社地が与えられ覆屋が建てられています。
G先生によれば屋根神さまとあるが、提灯を吊るす櫓がある訳でもなく、屋根神感は漂っていない。
覆屋前面は柵の扉が付けられしっかりと施錠されています。

自分が持っている屋根神さまの社のイメージは、三社造りで扉が三つ付くものを思い浮かべてしまいますが、板宮造りの扉一つの社に三社の神札が祀られているようです。

表には見えなかった提灯掛けも、覆屋のなかにちゃんと納められ、三灯分の金具も付いている。
祀られる三社は主に熱田神宮を中央にして秋葉神社津島神社がよく見られます。
時に氏神さまを中央に祀り、火伏の秋葉神社、災い除けの津島神社の三社の場合もあるようです。

こちらの社が軒から降ろされたものなのか、もとから基壇の上だったのかは不明ですが、今も現役でこの町を守護しているようで、供えられた榊を見るとそれは伝わってきます。

こちらの屋根神さまの祭神は分かりませんが、それを知るには毎月1日、15日の例祭に訪れればスッキリするだろう。
正面の柵は解放され、神前幕が張られ、灯りの灯された三社の提灯が吊るされた屋根神さまの姿を見ることができるだろう。
 
名古屋城が築城され、城下町に長屋が広がり多くの人が住まうようになると、火災や流行病が流行ります。
やがて人々は軒下や僅かな余地に基壇を作り、身近に神様を祀るようになりますが、昭和に入り空襲による火災やライフスタイルの変化、崇敬者の高齢化などにより確実に数は減っています。
西区の古い街並みが残る地域には、屋根神さまは残っている方なんだろう。

「屋根神」西区栄生 

創建 / 不明
祭神 / 不明
所在地 / 名古屋市西区栄生2-6-7
参拝日 / 2023/12/08
六生社から屋根神さま / 東海道本線をくぐり名鉄栄生駅北側鎮座地まで約10分
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