六生社 (名古屋市中村区栄生町)

菊泉寺から東へ進み三叉路を左へ、その先の中村区栄生町23に鎮座する六生社に向かう。
古い道筋なのか、幅員の狭い道ばかりのように感じる。
とても車で訪れたいとは思わない地域で、参拝者駐車場も見かけなかった。

社地東側の社頭全景。
周辺は住宅地が広がる一帯で、六生社の杜はシンボリックな存在です。

社頭右手の社号標「村社 六生社」は大正元年(1912)の寄進、石の神明鳥居は大正10年(1921)の寄進。
社号標右手には六生社由緒と大峰山大権現が鎮座します。

大峰山大権現。
こんもり盛られた「山」には役行者の姿と前鬼・後鬼の石像が安置され、山の麓には御嶽信仰の山丸三の紋も見えます。

大峰山大権現は奈良県にある大峰山霊場を参拝するもので、山上ヶ岳から大日岳一帯は古くから山岳信仰の地として知られますが、栄生もそうした山岳信仰が盛んなようです。

社頭の由緒。
「村社六生社
鎮座地 名古屋市西区栄生町
祭神 塩土老翁
祭日 十月六日例祭
由緒 
創建の年代不詳なるといえども、往古には愛知郡栄村当時松裏に祀られしものにして、慶長八年現在の地に遷座し祀れり、明治四十年十月神饌幣帛供進指定村社に列せらる。
祭神は古来安産の神として世俗の崇信篤く其の御神徳は弘く伝はれり(安産祈祷五月六日)」天王社 境内に神明ノ社あり

中村区「日比津・大秋の里散策コース」の解説
「幼児の守護神といわれ、安産の神様として敬愛を受けている塩土老翁命を祀ったこの神社の10月の祭日には、栄生町界隈のみならず、西区の方からも多くの人が集まり、沿道いっぱいに露店も出て大層なにぎわいをみせます。境内にはムクノキ、タブノキ等の保存樹があります。」
とあった。

上は明治24年(1891)当時の栄村周辺地図に近隣の社寺を記しました。
鎮座地は栄村のほゞ中心部にあたり、八幡社や土江神社が集落の西外れに鎮座、そこから西は日比津村まで田圃が広がっていました。

六生社の額。
当初は六柱をお祀りする六所社かと思っていたが、所で間違いないようです。

由緒に「栄村当時松裏に祀られていたが、慶長8年(1603)現在の地に遷座」とあり、現在の栄生駅東辺りの栄村松裏に鎮座していたが現在の地に遷座した。
慶長8年というと、名古屋城の築城(慶長15)がとされるので、それ以前から鎮座するかなりの歴史を持つ神社のようです。

尾張志の愛知郡神社に目を通すと六生社らしき以下の記述を見かけました、そこには以下のように書かれていました。
「六所社 是は神明八幡白山社宮司金毘羅役小角像と六軀ある總いふ社號也
天王社境内に神明社あり 以上栄村にあり」とあった。
他の地史を見ていませんが、内容からだとこちらを指したものに思えてなりません、 
以前は六所社と呼ばれていたのかもしれません。

祭神の塩土老翁命は、高天原から地上に降りた武甕槌神経津主神陸奥国平定したとき、両神の道案内をしたのが鹽土老翁神。
製塩の技術を伝えた神であり、潮流を司る海路の神ともされ、出産が潮の干満に関係することから、安産の守護神として崇敬され、名古屋で同神を祀る神社として塩竈神社(名古屋市天白区御幸山)は良く知られています。

参道から拝殿方向の眺め。
左に手水舎、参道脇の大きな石灯籠の先に狛犬が鎮座する。

参道右側に鹿島神社・金毘羅社が祀られていたが詳細は分かりません。

拝殿前の狛犬(1922年寄進)は子取り毬持ちのもの。

境内には社殿を覆う様に高木の樹々が聳えている。

小屋梁の上の瀧の蟇股。

拝殿から幣殿の眺め。
間を結ぶ渡廊の左右に二対の狛犬の姿があります。

二対の狛犬の寄進年は不明。

幣殿の右にも小高く盛られた小山が築かれ三社が祀られています。

左から津島社・白山社・石神社。

社殿全景の眺め。
切妻妻入拝殿から渡廊を介して切妻平入幣殿がひとつながりで、幣殿から神明造りの本殿までは渡廊が付くようです。
幣殿の千木は外削ぎで鰹木は7本、本殿は内削ぎ千木で鰹木は6本。
側面にフェンスが付けられ、社殿を厳重に護っている、なにが起こったのだろうか。

年輪を重ねた椋木や楠木が聳える境内にあって、拝殿左のクロガネモチは特に存在感がある。

拝殿左のクロガネモチの神木。

社殿後方からの眺め。
こちらは椋木が聳えている。

提灯櫓の連なる参道から社頭の眺め。
普段はひっそりとした境内、例祭では提灯に灯りがともされ、氏子や参拝客で賑わうのだろう。

六生社
創建 / 不明(慶長8年(1603)当地に遷座)
祭神 / 塩土老翁
境内社 / 大峰山大権現・鹿島神社・金毘羅社・津島社・白山社・石神社
所在地 / 名古屋市中村区栄生町23-21
参拝日 / 2023/12/08
菊泉寺から六生社徒歩ルート / 菊泉寺から​東へ進み三叉路を左へ約2~3分
参拝日 / 2023/12/08
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