堀ノ内町の神明神社から南西に徒歩15分、町名は変りこのあたりは熊野町になります。
何でしょうね、このあたりの町名の由来はとてもイメージしやすい。
熊野町となれば熊野神社があるの?、期待を裏切る事はなかった。
本店をはじめ支店や出張所が全国に数千とある熊野神社、さぞかし立派な支店なのだろうと勝手に期待していた、しかし訪れるとそれは過度な期待で出張所的な趣だった。
ここ熊野町には多宝塔で知られる密蔵院もあるが、敢えて熊野と付いたからには何かあるのだろう。
神社は南向きに鳥居を構え、その先に切妻瓦葺の拝殿が見える。
社号標は社頭右にあり、それには大正と刻まれています、その奥に熊野神社の縁起が建っています。
『熊野神社縁起』
所在 篠木村大字熊野字中間1349番
祭神 速玉男命、伊弉册命、事解男命
例祭日 10月18日
由緒 社伝明らかならず、されど養老2年(718)創建の由言い伝えり。
かくて延長7年(929)社殿を再建し、及び明和5年(1766)11月改築。
明治元年(1867)9月にも社殿の再建が計られた。
宝物 棟札 天和2年丙辰菊月19日 一枚
境内 1145坪
境内神社 伊豆社 祭神 / 火牟須比命、津島社 祭神 / 須佐之男命、白山社 祭神 / 菊理媛命
稲荷社 祭神 / 倉稲魂命、神明社 祭神 / 天照大御神、熱田社 祭神 / 熱田大神、富士社 祭神 / 木花之佐久夜毘売命、金刀比羅社 祭神 / 大国主命、戸隠神社 祭神 / 天手力雄命、愛宕社 祭神 / 加具槌命
縁起がしっかりと記され、気まぐれに訪れた者にはとても分かりやすい。
慎ましやかな神社の外観から想像できない長い歴史を持つ神社の様です。
拝殿は切妻瓦葺の四方吹き抜けのこぢんまりしたものです。
拝殿から本殿。
左右に複数の社が祀られているようです。
熊野神社と彫られた鬼瓦。
こぢんまりとした拝殿ですが、妻側に躍動感のある龍の彫飾りが施されています。
拝殿全周に想像上の動物、猪や鼠など彫られています。
拝殿内から本殿の眺め。
苔むした狛犬が守護する本殿域全景。
本殿は銅葺屋根の流造で左右それぞれに2社が並んでいます。
奉納年度が違うのか左右の燈籠は竿の形が違います。
愛嬌のある狛犬、表情は二タッと笑っているようでもある。
本殿。
創建 / 718年(養老2)の言い伝え
祭神 / 速玉男命、伊弉册命、事解男命
パッと見飾り気がないけれどよく見て行くと木鼻や虹梁には龍や獏など飾りが施されています。
左の二つの社、しっかり社名札が掲げられ悩まなくてすみます。
左の小さな社に愛宕社、戸隠神社、金刀比羅社。
右の社が冨士社、熱田社。
右の二つの社。
左の社に神明社と稲荷社、右の社に白山社、伊豆社、津島社。
一番右に小さな石標、初めは石上様かと思っていましたが、随分と時を経て風化していますが、よく見ると地蔵か観音様らしき姿が見える。
由緒にある所在地の篠木村大字熊野字中間旧住所で表記されています。
篠木村はかつての荘園篠木荘からきています、1878年(明治11)近隣の名栗、牛毛、野田の三つの村が合併し、熊野村となったらしく、その際に三つの村の氏神の熊野神社から名を取ったようです。
縁起にある1682年(天和2)の棟札が【宝物】と記されているように、古くからこの辺りの人々に受け継がれてきた、その歴史こそ熊野町の宝物なのだろう。
思い描いた立派な趣とは違ったけれど、見た目とかけ離れた強いつながりを感じる熊野神社です。
2020/5/31
熊野神社
創建 / 718年(養老2)の言い伝え
祭神 / 速玉男命、伊弉册命、事解男命
境内社 / 愛宕社、戸隠神社、金刀比羅社、冨士社、熱田社、神明社、稲荷社、白山社、伊豆社、津島社
住所 / 春日井市熊野町1349
公共交通機関アクセス / JR中央線「神領」駅下車南西に徒歩で25分程
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