静岡県浜松市天竜区春野町領家
秋葉山本宮秋葉神社 下社の右に鎮座する『六所神社』
それ程大きくはない下社の境内、手水舎の右に『六所神社』と下社境内を繋ぐ参道があります。
参道を進むとすぐ左に『六所神社』の社殿が見えてきます。
ここから右に参道が伸び、鳥居を経て県道に続いているようです。
秋葉神社下社の末社の様に見えますが、全く別のようで、六所明神と神社が鎮座する領家地域の六社を祀る地域の氏神さま。
六所明神はこの地域では犬居郷一宮と称えらる古社とされ、祭神は天照大神(伊勢神宮)、中筒男大神(住吉大社)、大山祇大神(大山祇神社)、誉田別命(八幡宮)、天児屋根大神(春日大社)、武甕槌大神(鹿島神宮)の六柱を祀る。
社殿全景。
切妻妻入りの拝殿には向拝が施され、本殿がおさまる鞘堂と一体となっています。
社殿右に大きな砲弾が安置されています。
江戸時代には石高一石三斗七升五合を拝領したという『六所神社』。
独身の頃は毎日2合ほど、お茶碗で4杯分の米を消費していたけれど、ほぼ2年分に相当する、それ程歴代領主から崇敬されてきた神社。
領家地域の六社とは、天王神社(素戔嗚命)、熊野神社(熊野大神)、八阪神社(素戔嗚命)、金山神社(金山彦神)、山野神社(野槌神)、若宮神社(天押雲根命)を指す様で、先の六柱と合わせるとこの小さな社に11柱が祀られる領家地域の守り神。
この領家という地名はもともと京都の公家の荘園があったことからきていると云い、秋葉山本宮を目指す参拝客の旅籠などが建ち賑わったようです。
領家地域と家康
武田軍との戦で劣勢に追い込まれた家康は退却を余儀なくされた際、この地域の村人は退却する家康に手助けした事から、後の江戸幕府から領家地域は手厚く保護されたとされます。
『六所神社』の創建は定かではありませんが、古くから鎮座する六所神社の隣に利便性などから秋葉神社下社を建立したのかもしれません。
六所神社は神職の常駐しない無人の神社のようですが、「問い合わせは秋葉山本宮秋葉神社まで」とある事から現在はそちらで管理されているのかも知れません。
参道右に木造の神明鳥居。
下社から県道沿いの社頭に戻るのは諦め、県道が見えるところまで参道を下ってみました。
静かな杉木立の中に伸びる参道、その先に周囲と同化するように佇む素朴な社殿、特別な空気が漂う。
少し先に行くと視界の先に県道とその先に気田川が見えてくる、車を停めた駐車場は右手方向。
鳥居はなく社頭を見過ごしていたようで、参道はこの石段から社殿まで真っすぐに続いていきます。
『六所神社』
創建 / 不明
祭神 / 天照大神、中筒男大神、大山祇大神、誉田別命、天児屋根大神、武甕槌大神
合祀六社 / 天王神社、熊野神社、八阪神社、金山神社、山野神社、若宮神社
住所 / 静岡県浜松市天竜区春野町領家327
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