天白川の堤防に鎮座する「三吉稲荷大明神・青峯山観音堂」

名古屋市南区源兵衛町1-21
名鉄常滑線「柴田」で下車、東の大きな通りは国道247号線
そこから右方向の天白川右岸の堤防道路を上流に向かえば堤防沿いに鎮座する三吉稲荷大明神までは歩いて10分もかからない。
現在、堤防道路は整備中、それにより神社までは通行出来そうですがそこから上流は封鎖されています。

近隣には国道沿いに柴田「稲荷神社」、対岸には「八幡社」、神社から上流に向かえば「須佐之男社」など鎮座しています。

f:id:owari-nagoya55:20210708114149j:plain堤防脇には駐車余地があり、ここまでなら車で訪れる事は出来そうです。
左が天白川、そこに架かる橋は千鳥橋、古くから新田開発で開かれた地域、伊勢湾台風では大きな被害を受けた地域でもある。
生命線でもある巨大な堤防の上に目的地「三吉稲荷大明神」が鎮座しています。

f:id:owari-nagoya55:20210708114205j:plain所在地は柴田町ではなく源兵衛町になります。

1706年(宝永3)、大山屋二代目の神戸文左衛門より資金融資を受けた山口源兵衛により開かれた地域、町名の由来はここから来ていると思われます。
新田として開かれた土地は今では住宅地に変貌、この巨大なコンクリート堤防に守られ、普段の生活では過去の悲惨な歴史や生い立ちの面影は感じられないけれど、標高は1㍍に満たない事だけは間違いない。

神社は堤防上の東西に細長い社地が与えられていて、社頭は東(上流側)になります。
社頭と対面するように青峯山観音堂が祀られています。

f:id:owari-nagoya55:20210708114222j:plainそこから対岸の東海市を見ると緑の森が視界に入ります、名和町新屋敷の「八幡社」は目の前。

f:id:owari-nagoya55:20210708114236j:plain三吉稲荷大明神の全景。
手前に1936年(昭和11)健之の社号標と手水鉢。
稲荷鳥居が連なり、その中ほどに石の鳥居、本殿は更に右奥。
石の鳥居は1957年(昭和32)と刻まれていた、伊勢湾台風が1959年なのでそれ以前よりここに鎮座する様だ。
過去の年代別の地図から創建時期を調べて見るも、そもそも表記されていなかった。
恐らくは周辺の開発によりこの地に遷座されたものでしょうが詳細は分からなかった。

f:id:owari-nagoya55:20210708114253j:plain1936年(昭和11)健之の社号標は妙に綺麗だ、手前の手水鉢の年号は見過ごしてしまった。

f:id:owari-nagoya55:20210708114316j:plain社頭から本殿の眺め。

f:id:owari-nagoya55:20210708114331j:plain社頭左に地元出身者の石碑が並ぶ。

f:id:owari-nagoya55:20210708114349j:plain小さな稲荷社でありながら、奉納鳥居は意外に多く、本殿まで続いている。
地元からの崇敬は厚いようです、この中ほどに石鳥居がある。

f:id:owari-nagoya55:20210708114405j:plain本殿域。
手前の狛狐は1962年(昭和37)、そこから一段盛られた上に本殿が祀られている。

f:id:owari-nagoya55:20210708114421j:plain狛狐
眉間のシワなど細部まで彫が施され表情にリアリティーがあり、肉付きも良くイケメンの狐だ。

f:id:owari-nagoya55:20210708114438j:plain三吉稲荷大明神
祭神は倉稲魂命
創建などの詳細は不明。

f:id:owari-nagoya55:20210708114456j:plain参拝を終えて対面する青峯山観音堂へ。

f:id:owari-nagoya55:20210708114513j:plain青峯山観音堂
この観音堂の詳細も分からなかった。
青峰山は三重県鳥羽市松尾から志摩市磯部にまたがる標高336㍍の山、青峯山には複数の堂宇が点在し山頂に真言宗の古刹山頂には正福寺がある。
標高は低いけれど、伊勢湾や遠州灘熊野灘からも見通せた事から、古くから沖合いを航海する船舶の目印とされ、航海の安全祈願、海を生業とする海女や漁師から崇敬されているという。
そうした事から鯨の背に乗った黄金の観音様が安置されているという。

f:id:owari-nagoya55:20210708114531j:plain堂内の観音像。
年号までは写真では読み取れなかった。

f:id:owari-nagoya55:20210708114547j:plain青峯山観音堂北側から天白川、名和町新屋敷の「八幡社」方向。
強固な堤防の上から観音の見つめる先は三吉稲荷大明神か、はたまた河口を見守っているのかナ。

2021/07/04

三吉稲荷大明神
創建 / 不明
祭神 / 倉稲魂命

青峯山観音堂
建立 /  不明

所在地 / ​名古屋市南区源兵衛町1-21

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