静岡県浜松市『日限(ひかぎり)地蔵尊』

以前掲載した『元城 東照宮
その鳥居前から通りを右に眺めると、少し下った交差点角の石垣に小さなお堂と左脇に『日限地蔵尊』の石標が見えます。
東照宮の参拝を終えこのお堂を訪ねてみました。

f:id:owari-nagoya55:20210216134732j:plain東照宮から道路を隔てた東側に位置する『日限地蔵尊』。
丘陵地に積まれた高い石垣、その一部を新たに四畳半程の敷地とするため整地されたようです。
交差点の角地に建てられた地蔵堂は、行き交う人を見守るには絶好かも知れない。
西側に手水鉢が置かれているけれど、道路からだと正面に手摺はあるが石垣と石標もあり難儀かもしれない。お堂の中を通り利用する意図かもしれない。

f:id:owari-nagoya55:20210216134757j:plain堂内は無人で扉の施錠はかけられていないようで、こうした場合扉を開け拝みたい反面、逆に躊躇するものです。ガラス張りの堂は道路から中の様子も良く見えるので堂前から拝ませてもらいました。
堂内は日限地蔵尊の提灯が吊るされ、正面の切妻で妻入りの小さな堂内にお地蔵さんが祀られています。
ガラスの反射でよく分からないけれど、左脇にも3~4体の地蔵様が祀られているようです。

f:id:owari-nagoya55:20210216134833j:plain日限地蔵尊は、もとは江戸時代1818~1830年の文政年間、浜松宿の呉服屋だった小野江家建替えの際に出土した二体の石像を祀ったものだと伝わり、明治初年に現在の場所の高みに移されたと云う。
その後、太平洋戦争でこの地は戦禍に見舞われ、西隣の元城東照宮は戦禍で焼失、唯一鳥居だけは被災を免れたそうですが、日限地蔵尊も鳥居同様に被害を免れ無傷だったそうです。
何かを持っている。
そうした事から日限(ひかぎり)地蔵尊は日を限って願掛け参りをすれば願いが叶うとして崇敬されていったようです。
戦後、高みから現在の通りの角に移され、願掛けに訪れやすく、更に身近な存在になったようです。
綺麗に手入れされた堂内を見れば、地元の方からどれだけ慕われているか良く伝わってきます。

ピンポイントで日を限って願掛すると叶えてくれるという日限地蔵尊、時期的には受験だろうか。
何かを前に努力しても尚不安な気持ちを抱える方、こちらでお参りし精神的に落ち着きを得ることで、自分に眠る秘めた力を導き出してくれるかもしれない。
2020/12/24

『日限(ひかぎり)地蔵尊
創建 / 不明
本尊 / 地蔵菩薩
住所 / ​静岡県浜松市中区元城町119
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