朱の両部鳥居が印象的な古城の跡に鎮座する『南外山八幡社』

小牧市南外山『南外山八幡社』
以前掲載した外山神社から東に歩いても5分程の場所に鎮座する。
ここは南外山城址の一画に鎮座し、境内西側には稲荷社もある。

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南外山八幡社には二つの鳥居があります。
一ノ鳥居は南外山公園の北側にあり、社号標が右側にあります。

参道の途中に公道が横切っていて、そこに辿り着くと赤い両部鳥居が参道だと勘違いするかもしれない。
一ノ鳥居から眺める参道は郊外の神社らしく、真っすぐな長い参道が杜に続いていきます。

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両部鳥居はこの辺りでは意外に見かけないかもしれない。
参道は二ノ鳥居から更に続き、その先に蕃塀と社殿が見えてきます。

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「南外山城址
ニノ鳥居から蕃塀に続く
参道右に南外山城址の解説板と石標があります。

「南外山城は、堀尾孫助の居城で、この八幡社を含む範囲にあったが、正中年間(1324~1325)にはすでに廃城となっていた城と伝わる。
その規模、構造などについては伝わっておらず不明であったが、近年、この周辺で行われた区画整理事業に伴う発掘調査により、徐々に明らかになってきている。
調査では、城の北辺、南辺、西辺にあたる堀が部分的ではあるが確認されている。
堀は幅4㍍程で、その内側では敷地を区画する溝、掘立柱建物を構成していたとみられる多くの柱穴、井戸などが見つかっている。
また、山茶碗、すり鉢、壷などの陶器、素焼きの皿や鍋、漆椀、木製の下駄など城があった当時に使われていた生活品が出土している。」
現在、境内で城の痕跡を期待してもそれらしい遺構は見当たらない、強いて言うなら境内東側の土手が土塁の遺構にあたるのかも知れない。

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木造のシックな蕃塀と拝殿の眺め。

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蕃塀左に手水舎があります。
鉢の後方には安政5年(1858)と刻まれています。
『南外山八幡社』の創建を自分では調べきれませんでしたが、小牧市の当社の解説によれば、1318年(文保2)と伝えられるとあった。
日蓮宗の僧侶日澄がすぐ東隣の妙楽寺建立の際、寺の鎮守として社を勧請したのが始まりだという。

f:id:owari-nagoya55:20210225090705j:plain伽藍は入母屋瓦葺で妻入りの四方吹き抜け拝殿から渡廊が入母屋瓦葺の平入の本殿に繋がっている。

f:id:owari-nagoya55:20210225090725j:plain拝殿前の狛犬。奉納年度は見忘れたので定かではないけれど、色褪せた石に刻まれたいかつい表情は風格を感じる。

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拝殿妻側の龍の透かし彫り、それ以外に懸魚の鰭に彫られた雲飾り等に作り手の細やかな拘りが現れている。
賽銭箱には神紋の丸に橘が描かれている。

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拝殿内に掲げられるシンプルな扁額。

拝殿から本殿方向を眺める。廊下が真っすぐに本殿に繋がっている。
1318年建立と伝わるようなので、現在の社殿の再建など分からないものか、目に付く範囲で棟札を探して見るも見当たらない。

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渡廊と本殿。

f:id:owari-nagoya55:20210225090857j:plain格子扉の先に複数の社があるが、祭神まではとても分からない。
どこかに由緒書きがあり、それを見落としているかもしれない。
中央の大きな社に誉田別命(応神天皇)が祀られていると思われます。

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「稲荷社」
本殿西の境内に赤い幟と鳥居が目に止まる。
ここが正面だと思っていると、少し左に奉納鳥居と幟が連なっている。
こちらはひょっとすると脇参道かも知れない。
正参道と思われる側に回り込む。

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趣きからこちらが正参道の様な気がする、正面に社が見えないのは少し引っかかる。
「お前さっきもきたやろ、お参りするの?しないの?」小さな狐がこちらを窺っているのに気付く。
参拝させてもらうかね。
ところで君達はいつから此処にいるのか教えてくれない?
無駄な問いかけだわなぁ。ここも詳細は分からない。

f:id:owari-nagoya55:20210225091001j:plain小さな狐には相手にされず、分からない事ばかりですが南外山八幡社を後にしよう。
蕃塀から一ノ鳥居方向を眺める。
駐車場は両部鳥居の右に用意されています、車でも駐車場の心配はしなくてもいいでしょう。

南外山八幡社
創建 / 1318年(文保2)
祭神 / 誉田別命(応神天皇)

稲荷大明神
創建・祭神 / 不明

南外山城址
築城・廃城 / 不明

住所 / ​小牧市南外山404
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