社名不明社(名古屋市熱田区西野町)

前回掲載取り上げた神野神社。
そこから徒歩5分程南に進むと右側に公園が現れます。
今回の目的地は、ここ熱田区西野町にある西野公園の一画に鎮座する社名不明社を掲載します。

西野公園もすぐ東に交通量の多い江川線や名古屋高速が伸びています。
表通りから少し西側に入った住宅や工場が立ち並ぶ一画に設けられた公園は意外に車の往来も少なく静かな環境にあり、陽射しが降りそそぐ明るい公園でした。
予測不能な幼い子供達を解き放ち、自由に走り回らせるには安心できる場所かもしれない。

上は西野公園西側から東方の眺め。

今回取り上げる神社は公園の敷地西側に鳥居を構えた「社名不明社」
社名不明社としてはいるものの、グーグル先生によれば「熱田神社」とある。
しかし表示されていた画像や解説は熱田神宮のものが貼られ情報が混乱しているようで、社名すら疑いたくなる。
現地には社標や由緒は見当たらず、寄進物などからも社名に繋がるものを見付けられなかった、ここでは「社名不明社」とさせてもらいました。

社頭全景。
西野公園の敷地西側に東を向いて社頭を構え、左右は集会所と民家が隣接しています。
公園から鳥居をくぐると参道が設けられ、公園で走り回る子らに「ここから先は少しおとなしくしようね」とでも言っているような感じが漂う。
こぢんまりとした神社が見つめる先には西野公園、少し先の熱田神宮を見守っている。

こうして見ると先に掲載した神野町の神野神社とシチュエーションがよく似ています。
いろいろ調べて見ましたが「熱田神社」とする記述には巡り逢わなかった。

神野町と同じような生立ちの西野町もまた新しい町、町名を冠した神野神社と同じように捉えれば、西野町を守護する西野神社の方が自然な気がしてならない。

創建時期や祭神などの詳細は分かりません。
鳥居に手水鉢、燈籠や狛犬を備え、石積みの基壇の上の玉垣で囲われた本殿域に神明造の社が祀られ、こぢんまりとしながらも伽藍は整えられています。

皇紀二千六百年記念」と刻まれた玉垣の先の社は、6本の鰹木と水平に切られた内削ぎの千木が施された立派な社です。

社殿を守護する小型の狛犬
小さな体格ですが肉付きも良く、口元は上品な朱色の彩色が施されお洒落には気を付けているようだ。

社には三つの扉が見られ、祀られているのは一柱ではなさそうです。
町の鎮護として祀られたものと仮定すれば、屋根神さまの祭神のイメージだろうか。

境内から西野公園を眺める。
境内の寄進物で社名や創建時期に繋がるものは、石の明神鳥居の柱には寄進者と昭和15年(1940)寄進、燈籠は昭和13年(1938)寄進と刻まれていますが社名に繋がるものは見当たりません。
皇紀二千六百年記念の玉垣からも創建が昭和以前に遡るとは思えませんが、一面の湿地帯が水田に開墾され、集落が出来、多くの人が住む町に発展する過程で町の安泰を祈願して祀られたものと考えられます。
この神社も西野町の発展とともに地域を見守り続けて来た神社なのだろう。
神々に見守る目の前で遊ぶ子の姿、神社と人が身近に接する温もりのある公園です。

社名不明社(熱田神社)
創建 / 不明
祭神 / 不明
所在地 / 名古屋市熱田区西野町2-4
参拝日 / 2023/2/12
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神野神社から徒歩ルート / ​神野神社から南へ5分

無縁地蔵菩薩
西野公園の東角に小さなお堂の姿があります。

無縁地蔵菩薩と呼ばれるようで、高い基壇の上に切妻の覆屋が建てられ、内部には一体の地蔵菩薩像が祀られていました。

地蔵さんを拝んだ後に像をよく見ても年号など見当たりません。

この地蔵の謂れや由緒については定かな情報もなく、これ以上お伝えするものはありませんが、穏やかな表情のお地蔵様が安置されています。

無縁地蔵菩薩
所在地 / 名古屋市熱田区西野町2