さいたま市緑区鎮座の氷川女體神社で参拝を済ませ、最寄りの朝日坂上バス停からJR浦和駅に向かう。
約50分程の移動時間。
埼玉最後の訪問地浦和の調神社へは、浦和駅西口から住宅やビルが立ち並ぶ一帯を南北に貫く県道213号線を約15分程南下した浦和区岸町に鎮座します。
県道は旧中山道にあたるようで、歩道の所々にこうしたタイルが埋め込まれている。
調(つき)神社社頭全景。
調神社は旧中山道沿いに社頭を構え、右に「縣社 延喜式内 調神社」の社標が立てられています。
うさぎと云えば月がつきもの、「つき」を呼ぶという事から境内ではうさぎの姿が見受けられます。
この社頭の他に右側に金毘羅神社への参道と南・北側にも脇参道がありますが、これらの参道には金毘羅神社を除き鳥居の姿はなく、代わりに門柱が立てられています。
参道右に手水舎があり、手水鉢には龍の姿が…あるはず
どうやら調神社は兎と所縁があるようで、大きな兎の小さな口から清水が注がれていた。
境内には他にも兎の姿がある。
過去の狛兎なんだろうか、手前はすぐにそれとわかるが、左は耳が欠けてしまっているようで痛々しい。
授与所?社殿の眺め。
拝殿は銅葺入母屋造の平入で千鳥破風と軒唐破風が付くもので、祭神は天照大御神、豊宇気姫命、素盞嗚尊を祀り、社格は式内社⁽小⁾で旧社格の県社。
拝殿の千鳥破風と軒唐破風。
日暮れが迫ると向拝の下の照明に明りが灯され、透彫りがライトアップされる。
向拝柱の獅子の木鼻。
沿革は南北朝時代の延元2年(1337)に、足利尊氏が一色範行に命じ荒廃していた社殿を復興したと伝えられています。
その後、戦国時代末期の天正18年(1590)小田原兵乱で、焼失しますが、徳川家康の関東入部後から江戸時代初期にかけ次第に再建されたようです。
現在の社殿は、安政6年(1859)に竣工された総欅の権現造り。
境内東側の神池の畔に鎮座する稲荷社の本殿は調神社の旧本殿を移築したもの。
安政以降も補修の手は入っているようで、全体的に大きな劣化は見られず、綺麗な社殿の印象をうけます。
社務所右の境内に神楽殿。
兎の神社に今年の干支、兎の絵馬が置かれていた、偶然とはいえ、つきがあるのだろうか。
来年はここに龍の姿が現れる。
神楽殿左の神池、この中央にも兎がいる。
古来より調神社は月待信仰と深い関りを持ち、調神社も月宮殿にされるようになると使姫である兎の彫刻が各所におさめられていったようです。
よく見れば左に甲羅干し中の亀、兎と亀だね。
神池に架かる神橋の先が境内社の稲荷神社。
神橋の先は朱の木造両部鳥居。
この鳥居と先に見える鳥居ともに額は架けられていなかった。
石の明神鳥居の先が稲荷神社の覆殿。
まるで温室のような覆殿と左は稲荷神社仮殿。
破風板や各所に金の飾り金具や彩色が施され、派手ではないが上品な華やかさを備えたもので、享保18年(1733)に作られ、安政年間(1854~1860)まで調神社の本殿を務めた。
移築後の平成29年(2017)に補修の手が入れられ、以前は銅板葺きだった屋根を柿葺きへ戻されたようです、覆殿に囲まれているからか、300年を経た今も綺麗な状態を保っているように見えます。
周囲を透明樹脂で覆うのは、豪雪地帯などでよく見かけ理にかなっていると思いますが、偏光フィルターでもあればいいが、写真に収めると乱反射して綺麗に撮れないのが難点。
覆殿左の堂。
右脇に狐が姿が見え、正面には額が架かっていますが文字が読み取れず詳細は分かりません。
境内南側の境内社。
左の流造の社が天神社で右の寄棟の堂が金毘羅神社。
祭礼は初金毘羅祭 1月10日、月次祭 毎月10日。
旧中山道に鎮座する調(つき)神社、勝負運や金運に御利益があるとされ、浦和ではよく知られた神社のようで、つきをもたらす兎が出向迎える歴史のある神社のようだ。
浦和は出張で幾度も通り過ぎていたが、駅から容易に訪れられるのであれば、あの頃に道草しても良かったのか。
とはいえ、週末でもないのに出張先で道草する発想はなく、一刻も早く名古屋に戻りたかったのが本音かな、今回埼玉の社寺を訪れましたが、帰路が遠く感じるのはなんだろうね。
参拝日 / 2023/09/26
朝日坂上バス停(氷川女體神社)からJR浦和駅バス移動 / 約50分
浦和駅から徒歩 / 県道213号線を南へ15分程
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