まず最初に、今回情報に乏しい神明社の記載にあたって、教えを頂いた浄土寺ご住職、南知多社会教育課担当者の方、お世話になりました。「ありがとうございました」
知多郡南知多町大字豊浜小佐郷4
「村社 神明社」
豊浜港の「峠の地蔵さん」から国道247号線を師崎方向へ車で5分ほど、距離にして1㌔程走る。
電柱に浄土寺の看板も視界に入ってきます。
国道左側に玉垣で囲われた小佐郷神明社が現れます。
2020/1/18に行われた、「第10回歩いて巡拝四国」のスタートとなる浄土寺の入口です。
このイベントのコンプリートを目指すかみさんをここで降ろし、送迎担当のおやじはコースから外れた地元の寺社を巡る。
浄土寺さんの入口にまさか神社があろうとは。
巡礼の方もまだ到着していないようなので、参拝させてもらいました。
国道脇の左に「村社 神明社」の社号標、その先の広々とした境内に社殿があります。
神明社の左の道をまっすぐ進むと浄土寺に至ります。
石の神明鳥居、右手に手水舎、狛犬、拝殿と伽藍は整っています。
こちらは神職不在の地域の方により守られている神社。
神職不在とはいえ、境内はとても綺麗に維持されていて、地元に親しまれているのが伝わってきます。
こうした神社を訪れるのはとても気持ちがいいものです。
小佐漁港に近い神明社、境内に朝陽が差し込み始めました。
境内に入ると右に手水舎があります。
その右は多分ですが町内の集会所でしょうか。
朝陽を受けて拝殿前の狛犬は陰影が強調され彫の深さが現れています。
入母屋造りの木造瓦葺の拝殿。
素木の壁と瓦の色合いがシンプルで素朴な外観を醸し出しています。
拝殿内全景。
拝殿から渡廊で本殿に繋がります。
白壁は木の色を引き立て綺麗な内部、そこに古びた太鼓が置かれています。
祭神は天照大神
創建は不明ですが、1338年(暦応元年)には既に鎮座していたらしい。
元は浄土寺と関りがあったようですが、浄土寺の現住職も分からないとの事。
明治の神仏分離以降、寺と神社は各々別の道を歩み、繋がりも風化し消えていくものです。
拝殿側面全景。
海辺ということもあり、板の雨戸が付けられています。
拝殿右奥に石垣が積まれた神域に覆屋が二つあり、5社が祀られています。
石垣の右手に随分前に奉納されたと思われる手水鉢が置かれています。
本殿右の末社全景。
右と左に二つの覆屋があります。
右の覆屋には3社が祀られていますが、何れも表札もなく詳細は分かりません。
左の覆屋には2社が祀られていました。
教育委員会の方によれば、全ては分からないけれど、古い記録によると「御鍬社」、「伊雑社」が祀られているが、それが5社のどれなのか、他の三社についてまでは分からない。
とはいえ、それが分かっただけでもありがたい。
時間と共に風化していく記憶、形に留めて後世に語り継ぎたいものです。
本殿左にも覆屋が一つあります。
中には二つの石が祀られていました。
右側に御幣が立てられた白い縦長の石。
左にも白い石が‣・・・・、これらも教育委員会の方に伺いました。
残念ながらこの石の存在は把握していないとのことでした。
正体は分かりません、推測になりますがミシャグジさまかもしれません。
また、小佐の海の対岸では海女さんの守り神として石神さまも祀られます。
小佐郷のある一帯は古くから漁業で栄えている街、なので海で従事する女性の守護として石神さまが祀られていても不思議ではないかも。
いずれにしても潮風に浸食されるように、こうした事も少しづつ風化していくのかもしれません。
海辺の小さな神社ですが、地元の方にこれからも大切に守られ続けていく事でしょう。
小佐郷 神明社
創建 / 不明
祭神 / 天照大神
住所 / 知多郡南知多町大字豊浜小佐郷4
車アクセス / 南知多道路「南知多」ICから内海経由、国道247号線で師崎方向に20分程