奈良県 『室生寺』 石楠花の見頃も間もなく

奈良県宇陀市室生

 20代、当時まだ独身だった頃、四季を通じて通い詰めた地方です
室生寺はその中の一つ
 あれから数十年、かみさんと二人で久し振りに訪れる事になりました
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太鼓橋に向かう道筋、いつ来ても賑わっていた記憶があったが
 石楠花の時期を迎え参拝する方は意外と少ない、鄙びた雰囲気がする
苔生した緑の石垣、芝桜の色が鮮やか
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太鼓橋の前の雰囲気は当時のまま
 室生川に架かる太鼓橋、架け替えられた様です
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太鼓橋を渡ると室生寺境内
 女人高野室生寺、女性的な優しさと美しさを感じる寺です
 
何やら工事中の様です
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寺号標を右に進むと仁王門に至ります
 工事看板が立ち並ぶ
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室生山の扁額と仁王像
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境内から見た仁王門
 紅葉の頃はきれいな場所です
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仁王門の左にある梵字
 鎧坂の脇から仁王門と紅葉や石楠花が写り込む水面、美しく見える場所です
石楠花の見頃はまだ少し早い様です、やはりGWでしょうか?
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記憶は曖昧ですが、以前ここに手水鉢があったかな?
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鎧坂左の梵字池とその先には弁財天が祀られる
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鎧坂
 ここからが奥ノ院まで続く石段の始まりです
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鎧坂を登ると境内が広がります
 正面が国宝の金堂(国宝・平安前期建立)、左が現在修復工事中の弥勒堂(重要文化財鎌倉時代前期建立)、右には天神社が配されています
金堂の高床部分は江戸時代に入り増築されたもので、それ以前は境内から内部が拝めたと云われています
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石段を登り本堂から眺めた金堂の全景
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金堂扁額
堂内には
 左から十一面観音立像、文殊菩薩立像、本尊釈迦如来立像、薬師如来立像、地蔵菩薩立像並び祀られ
像の手前には十二神将立像が立ち並びます
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境内右の天神社拝殿
 こちらの拝殿、当時(1980年頃)には見覚えが無かった気がします
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天神社拝殿脇の岩に彫られた不動明王
 陰影によって浮き立つ表情は今も昔のまま
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室生寺本堂(灌頂堂)
 国宝で1308年(延慶元)の建立、入母屋の屋根勾配の美しさは今も変わりません
雪の降る中、屋根が描く曲線のシルエットは何故か引き付けるものがあります
 曲線フェチはここから始まったのかも 
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本堂扁額
 本堂もぼちぼち化粧直しが必要か
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石楠花と本堂
派手な飾りはないけれど、周囲の花や木々が演出する四季折々の彩こそ室生寺最大の装飾です
 随分朽ちた印象の本堂
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五重塔
  国宝(奈良時代後期)
四季を通じ表情を変えます、今の時期は石楠花で彩られ華やかな時を迎えます
 早朝から大勢のカメラマンが三脚をセットし陣を構えたものですが
今はどうなんでしょうか? 
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ハナズオウと石楠花が美しい時期を迎えます

 この塔は1998年の台風7号で傍らの杉が倒れ、塔の屋根に大きな損傷を与えました
しかし、その後2年に渡る修復作業で当時の優美な姿を取り戻しました 
 背景の杉をバックに深々と降りしきる雪の中、下のアングルで撮ると邪魔な枝があったと記憶します
(昔のスライドを引っ張り出して見るか)
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五重塔の左、奥ノ院に続く参道脇にある地蔵群
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五重塔右の山肌に祀られる修円僧都の廟
 平安前期の法相宗の僧で、室生寺の創建に尽力した修円僧はここに眠ります

この祠があまり記憶に残っていない
 概要不明、注意の看板は好まない
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五重塔から奥ノ院の看板に従い参道を進みます
 年月を重ねた杉の大木に囲まれた参道を歩き奥ノ院を目指す
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朱色の橋を渡り、軽く石段を登った先にある手水鉢、こちらで清める
 水は前を流れる沢から引いているので時に枯れる事もあるそうな
ここから石段も本番
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橋から先は急勾配の石段が続きます
 足元から視線を外すことなく、石楠花や石像を見ながらゆっくり登る
上は見ない方がいい、必ず石段は終わりを迎えます
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石段に明かりが差し込む
 見上げるとそこには常燈堂を支える巨大な束が聳える
ここまで来れば奥ノ院も間もなく
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常燈堂を支える束組みからは、あたかも黒塗りの額に入れられた一枚の絵のように室生の新緑が見えています
 ここまで登ってきたご褒美ですね、あと少しの辛抱です
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石段は無くなり境内が広がります、奥ノ院到着です
 正面が札所、左に御影堂と更に左には七重の石塔
下が常燈堂(位牌堂)
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見覚えのある奉納額も随分と色褪せたものです
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常燈堂の回廊から眼下に見える室生の街並みと室生川
 これだけ登ったんだよね
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御影堂(太師堂)
  鎌倉後期の建築と云われ、重要文化財に指定されています
弘法大師を祀る堂としては日本最古のものと云われます

 御影堂の左に諸仏出現岩と呼ばれる岩場があり、その頂上に七重石塔が建っています
御朱印も頂いた様です、さてと下界に戻りましょう
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下りは要注意
 手摺を持って確実にゆっくり降りて行こう
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奥ノ院から降りてくると陽射しは暑く感じられます
 梵字池から護摩堂へ
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本坊と書院

慶雲殿
無事に下界まで戻ってこられました
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弥勒堂修復工事の解説
 土台が朽ち果て、建物全体を持ち上げての大改修中
屋根は桧皮が剥がされ梁だけになっています

室生寺の案内板と周辺地図

室生寺(室生寺縁起より抜粋)
 寺伝によれば奈良時代天武天皇の発願により役小角が創建
後に空海真言宗の道場の一つとして伽藍を整備再興したと伝わる
 777年(宝亀8)、山部親王の病気平癒を願い、興福寺大僧都賢璟ら浄行5人が室生山中で「延寿法」を修したところ病気は回復したと伝わる
その後、天皇の命を受けた賢璟は、室生山寺を創建を任されます
 創建の実務は興福寺出身で賢璟の高弟、修円が務める事となる
修円は比叡山延暦寺を開いた最澄高野山を開創した空海と並び、当時の仏教界を指導した学僧
 以来、室生寺法相宗を始め天台・真言律宗の各宗兼学の山林修行の道場として独特の仏教文化を形成、その一つが女人禁制の高野山に対し、室生寺は女性の参詣を許しました
「女人高野」と呼ばれる由縁でもあります
 平安前期を中心とする多くの仏教美術を継承しています

現在境内で工事が行われていますが、その一つに室生寺が所有する国宝や重要文化財を保管する「宝物館」も含まれているそうです
 完成の暁には訪れたいものです

創建 / 681年(天武9)
宗派 / 真言宗室生寺派
本尊 / 如意輪観音坐像
国宝 / 五重塔、金堂、本堂・・・・・
重要文化財 / 弥勒堂、御影堂・・・・・
住所 / 奈良県宇陀市室生78
アクセス / ​東名阪自動車道⇒名阪国道経由小倉より県道 約2:30分
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本堂御朱印
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奥ノ院御朱印

さあ、通り道にある大野寺の磨崖仏も訪ねよう!
 うお座「寄ってもいい?5分だけだから」
さくら「・・・・・少しなら」